生前墓のすすめ
突然ですが、お墓は、自分が亡くなってからご遺族が建立するものだと思い込んでいませんか?
たしかに多くのお墓はそういう形で建てられるものがほとんどです。昔であればそれでも故人・ご先祖様を思いやり、いいお墓を建立するというご遺族が多かったので良かったのですが、現在ではその流れは廃れつつあります。
故人の意見はあまり考慮されず、手軽・値段を基準にとりあえず建てておけば、世間体もたつということでお墓が建てられています。
私は、仕事柄 墓地訪問をするたびに、見たり、感じたりするのですが、どうして数年もすれば異変をきたし始める石を使ってお墓を建てるのだろうかと・・・・これらをまた新たに建立しなおすのは大変だろうと・・・・。それは、売るということに主眼をおいている石材店の責任でもありますが。実際、建立後数年でひどく風化して表面はザラザラ、色落ちや変色などしているお墓をよく目にします。
もちろんどんな良い石を使用しても加工技術やお手入れの仕方、周辺の気候環境等で風化は起こります。しかし、その度合いは、長年使われ続けている石や地元で採れる石を使用し、長年の加工技術が蓄積されている地での加工を合わせられれば、大きく変わると思います。
最近では、そういった加工技術ではなく、車などであるようなガラスコーティングの類を使用して耐久性をだしている物もありますが、石は呼吸をし、また魂を納めるという意味でも石を密閉してしまうそのような技術は使用し難いものであると私は思います。
また、ここ数年でシェアーを伸ばしている外国産石材でも同じことが言えます。なかには良い石もあるのでしょうが、まだまだ使われ始めて間もないため10数年後それらのお墓がどのような状態になるのか石材業者も把握していないのが本当のところです。
一昔前に、韓国産の石が安いということで大量に建立されたことがありました。結果、10数年後それらのお墓は色落ち、変色、風化など酷い有様でした。現在、その時と同じように 中国産の石がもてはやされています。
中国産が韓国産と同じような結果になるかどうか現段階ではわかりませんが、お墓は「一生に一回、数十年・百数十年の付き合い」のものです。
上記のことを考えれば、ご自分とその子孫が祭られていくお墓ですので、その時の状況に左右されないためにも生前墓は重要だと考えます。
では、実際はどうするのがよいのでしょか?
一つには、遺言書などでお墓はこういう風にしてほしい等書き残しておくことや普段から家族に話しておくなどということができます。ただ、この場合ある程度のお墓に関する知識がないと詳細を伝えることは難しいでしょう。
また、お墓は価格も高額になることが多く、ご葬儀後のご遺族には大きな負担がかかる事も問題です。この点が安易な石材店選びの一因ともなっています。
ですので、私は生前にお墓を建立しておく「寿陵(じゅりょう )」をお勧めします。
寿陵=生前墓は、古くから「長寿」「子孫繁栄」「家内円満」の3つの果報を招くとされ、中国では古来より生前にお墓を建てることは長寿を授かる縁起のいいこととされ、秦の始皇帝、聖徳太子、昭和天皇も寿陵を建てられ、古文書にも「寿蔵」「寿堂」などと書かれています。
また、建立までの期間も長く取れますので、石材店とも十分なご相談の時間を設けられますし、ご家族とも十分にお話ができると思います。
また、生前にお墓を建てることは節税にもつながります。
お墓の場合、相続財産とは違い「祭祀財産(さいしざいさん)」と見なされるので相続税、不動産所得税、固定資産税など一切課税されません。
また、墓地を購入するといっても不動産の取得とは違い使用権を取得するだけであり、土地そのものの所有権は寺院や霊園にあるので、不動産売買にともなう税金はかからないということです。
このようなことからも、生前にお墓のことを考えておくのはとても良いことだと思います。